株主・投資家の皆さまへ

代表取締役執行役員社長
岩下 節生

社長就任にあたって

 

グローバル志向への意識改革による成長の土台づくり

 

 2017年7月1日付で代表取締役執行役員社長に就任した岩下節生です。前任の小日向久治取締役会長より経営の舵取りを引き継ぎ、当社グループ事業のさらなる発展に向け、全力で取り組んでまいります。

 今から65年前、「真空技術で産業界に貢献したい」という志をもって創業した当社グループは、果敢なチャレンジ精神で国内初の真空装置を手掛けました。そうした価値創造の源泉は「人」に他なりません。私はこの考えのもと、社長就任に際して、社員一人ひとりが「ワクワク・イキイキ」と活躍し、成長できる職場づくりを全社に呼びかけました。のちほどご説明する新中期経営計画においても「人財の育成」に主眼を置いた経営基盤の強化を掲げています。

 また当社グループは、真空総合メーカーとして装置のみならずコンポーネント、材料、表面分析等幅広く手掛け、成長・発展を遂げてきました。しかし各事業が連携し合い、それを強みとして活かしていくシナジー効果の発揮は、十分とは言えません。グローバル展開を加速し、真空技術による産業分野への貢献を拡大していくためには、グループ各社が相互に関心を持ち合い、他の事業領域への理解を深め、横のつながりを強めることが不可欠です。今後は、グループ内の情報共有・コミュニケーション機能を高めるとともに人事交流を促進し、組織の枠を超えて活躍できる人財を育てていくことで「真空技術の総合利用」につながるシナジー創出の土壌を築き上げていきます。

 私自身のミッションとして、社員の目線をグローバル志向に意識改革していくことで、成長の土台づくりを進め、「真空総合メーカー」 としての新たな可能性を拓いてまいります。

2017年6月期の振り返り

 

計画を上回る増収・増益で締め括った前中期経営計画
 

 2017年6月期は、受注高および売上高、利益のいずれも期初の計画数値を大きく上回り、2期連続で過去最高益を更新しました。

 フラットパネルや半導体メーカーの旺盛な設備投資を背景に、FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置、半導体・電子部品製造装置、コンポーネントを中心に需要が増加し、受注高および売上高の拡大を牽引しました。利益面では、増収効果や継続的なコストダウンにより、売上総利益率・営業利益率ともに改善しました。

 その結果、当期の連結業績は、受注高2,355億円(前期比5.3%増)、売上高2,318億円(同20.5 % 増)、営業利益295億円(同65.0%増)、経常利益297億円(同61.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益245億円(同46.5%増)となり、前中期経営計画(3ヵ年)を大幅に上回る実績となりました。

 前中期経営計画は「意識改革による利益体質の強化」を掲げ、LCD(液晶)の大型化やOLED(有機EL)へのシフト等の市場変化に対応した継続的な研究開発とグループ生産体制の効率化を推進し、利益体質の改善を図りました。これにより、3年間で売上高は1.3倍に拡大し、営業利益率は6.9%から12.7%に上昇しました。

 財務面では、自己資本比率が40.2%に改善し、有利子負債・借入金依存度も大幅に改善しました。

 このように構造改革を通じて利益体質・財務体質が改善したことにより、社員は自信を深めています。これを次の飛躍につなげるべく、新中期経営計画を通じてさらなる価値創造にチャレンジします。

新中期経営計画を始動

 

FPD事業を盤石化、半導体・電子機器事業を第2の柱に

 

 2017年7月から始動した新中期経営計画は、技術革新の大きな転換点を新たな価値創造のチャンスと捉え、持続的成長と企業価値の向上を目指す3年間の計画です。当社グループは本計画を通じて、真空技術の総合利用と装置・材料・成膜加工・分析・サービスのシナジー効果の最大化を図り、グローバルなビジネスパートナーとの連携を強め、高い収益性の企業経営を実現します。

 本計画では、2020年6月期における「売上高2,500億円」「営業利益350億円」「営業利益率14%」を目標数値として掲げました。これを実現する成長ドライバーは、旺盛な需要を背景に盤石化を目指すFPD事業と、第2の柱として強化する半導体・電子機器事業です。

 FPD事業は、大型テレビ向けパネル需要に対応した大型基盤のLCD設備投資が活発化しています。当社グループは、強みである大型スパッタリング装置の高い技術力と中国市場でのカスタマーサポート体制やサプライチェーン等の優位性を活かして受注の拡大を図ります。同じく旺盛な設備投資が続くスマートフォン向けOLEDについても、中国を中心に受注の拡大を図っていきます。

 半導体・電子機器事業は、スマート化の潮流のなかで各種センサー・通信デバイス・次世代電池等の小型・高効率・大容量化などの技術的課題解決が求められており、技術革新に挑戦していきます。高水準の需要が続くNAND・DRAMに加え次世代不揮発性メモリへの対応、アルバックにとって新領域となるロジックへの参入、中国国産化政策に基づく生産体制強化の動きへの対応などにより、3年間で40%の売上増加を目指します。

 計画初年度の2018年6月期は、売上高2,390億円(当期比3%増)、営業利益310億円(同5%増)、経常利益310億円(同4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益255億円(同4%増)の計画です。

株主の皆様にお伝えしたいこと

長期的・継続的に株式保有していただける関係を構築

 当社は株主の皆様への利益配分を最も重要な政策の一つと認識しております。株主の皆様への利益配分につきましては、更なる成長のための研究開発等の投資や財務基盤の強化に必要な内部留保の充実を図りつつ、財務基盤の状況や各年度の連結業績、配当性向等を総合的に勘案し、実施してまいります。2016年度の期末配当は、1株当たり50円(前年度比20円増配)とさせていただきました。2017年度の期末配当は、同60円の予定です。

 また当社は、株主の皆様に対して、事業内容や経営戦略、業績に関する正確でわかりやすい情報を積極的に発信し、コミュニケーションの機会を設けることで、長期的かつ継続的に株式を保有していただける関係づくりにつなげたいと考えています。

 新中期経営計画の着実な遂行により、自らの成長可能性を高め、より大きな社会への貢献を目指していく当社グループにご期待いただき、一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。